通学しているうちにいろんな生徒に見られた。
メールでミユには先に行っててとメールした。
あー、なんか恥ずかしい…。
そしてさっきからあたしはそわそわしていた。
――――レイタに見つかりませんように…
「…ゆう?」
「あ、なに?」
あたし、なに考えてんだろう。
こんなときまでレイタのこと考えて…。
アユムに失礼だ…。
あたしを一途に思ってくれるアユム。
なのにあたしはそれに答えられないでいる。
そしてレイタがスキ。
最近、レイタは後ろに回すプリントも投げるように渡すようになった。
いつから?
優しいあなたじゃなくなったのは?
いつから?
すれ違っても何も言わなくなったのは?
いつから?
もう、会話をしなくなったのは…。
どうしてあたし?
なにかしたかな…?
泣きそうになる気持ちをグッと我慢した。
そして前にある背中にぎゅっと抱きついた。
「ゆう?」
人通りの少ない道に入りながらアユムが驚きながらあたしの名前を呼んだ。
「大丈夫…、泣かせたりしないから。守ってあげる」
アユム…?
そんな優しい言葉言われたら
涙が止まらないよ…。
涙がポロポロ溢れ出すから、アユムの大きな背中に顔を埋めた。
アユム…アユム…
本当にありがとう。
アユムが支えてくれて嬉しい…。
アユムがいなかったら、あたし、もう恋するのやめてたかも…。
でも、まだレイタが好きなあたしを許してね…。

