君は、上杉の方の生まれ変わりなのだろう? 「…雫(しずく)、とは呼んではくれないのですね。あなたが付けてくれた名前なのに…。」 しゅん…と肩を落として寂しそうな顔をする。 その表情も、前世と全く変わりがなく…驚くばかりだ。 小柄で華奢な所も、潤んだ大きな瞳も、栗色で柔らかそうな長い髪も…声も…全て。 あまりにも前世の彼女と生き写しだから。 「…雫。」 俺の中の晴信が、名を呼んでしまった。 「晴信様…っ!!」 小さな華奢な体が、ふわっと俺に抱き付いてきた。