その単語と共に、何故かあの女の子の顔が頭を過ぎった。 …どうして…? 考えないようにしても…どうしても気になってしまう。 どうしても不安は拭えない。 あの子…確かに“晴信様”って…呼んだ。 晴信の奥さん…なの…? 「…結衣さん?どうした、ぼうっとして…睡眠不足だと言っていたが…大丈夫か?」 「あ…うん、大丈夫!」 不安だよ…健ちゃん。 あの子…誰…? 「…大丈夫には見えないが…。少し横になろう。」 すごく心配そうな顔して、健ちゃんが私の肩を抱いてベッドに誘導しようとする。