真剣な健ちゃんの声。
私を見る、真っ直ぐな目。
そして少し…苛立ちを隠せない、不器用な男の子の表情に…私はドキドキして…頷いていた。
「ほーら、やっぱり二人で行くことになったね?羨ましいぜ、ちくしょー。」
心底、拗ねたような天野川君の声。
思わず「ごめんね」って謝ってしまった。
「天野川、お前は先日から一体何なんだ!?」
困ったような健ちゃん。
だけど天野川君は、パッと笑顔になった。
「…さぁね?お姉さん、じゃあまたね!」
悪戯っぽく笑いながら、またしても天野川君はスーパーを出ると去って行った。

