晴れ空男子

 パッと離れた手はどこかに消えて行った。




「こいつだ!!」

「僕じゃないですぅ~…」




 少し太めな体でリュックを背負っている男の人。




「あ、さっきの手だ」

「へっ!?」

「この子、触ってましたよね?」



 那智ちゃんを肩に手を置いて聞いた。




「僕知らないです…」

「ホントに?」

「ホントにですぅ…」

「絶対ね?」

「ぜっ…絶対です…」

「あーそう、いいんだ。律ー、この人犯罪者だよ!!」

「えッ!!」





 面倒くさそうに椅子から立ちあがって私と那智ちゃんの前に立った律。



「ここバスの中なんで…とりあえず次降りてもらえます?」

「僕じゃないってぇ…」

「警察に行って解決してもらいますか?」

「本当に僕じゃないんだってぇ…」




 手を振って否定をしているけど…明らかに目が泳いでる。