「もう、笑わないでよ」

「はいはい クックッ」

笑いながら、龍牙にひょいと持ち上げられて乗せられた。

「しっかり掴まっとけよ」

と、言われてもどこに掴まったらいいのか、わかんない。

とりあえず肩を掴んでみる。

「そこじゃねぇって」

「えっ?」

肩の手を外され、龍牙のお腹に持っていかれる。

必然的に龍牙に抱きつくようになって、ドキドキして体温があがる。

「じゃあ、行くぞ」

走り出したバイク。

「大丈夫か?」

「うん」

「怖かったら、言えよ?」

「うん」

どこに行くかまったくわかんないけど、龍牙といるから不思議と不安はない。




暫く走って、森の中に入っていく。

葉っぱはついてないけど、なんとなく気持ちいい。

「もうすぐだから」

「うん」