「ああ 今日買ったんだよお前の為に」

「えっ」

「女なんかケツに乗せたことねぇし」

「そうなんだぁ」

その言葉が何故か嬉しくて、ニヤけてしまう。

被ったのはいいけど、ぶかぶかだ。

「ねぇ、龍牙ぶかぶかなんだけど…」

「じっとしてろよ」

龍牙の手が顎の下にある、紐の所に来る。

それと一緒に顔も近くなって、ドキドキする。

「こしょばいよ」

「あと、ちょっと」

でも、10cmしかないこの距離。

ドキドキしない方が、おかしいよ。

「よし、終った あれなんか、顔あかいぞ もしかして、俺にドキドキした?」

「別にそう言うわけじゃないから!!」

「クックッ・・・」

必死で弁解しても、龍牙は笑っているだけ。

「ほら、早く行こう?」

「ああ クックッ」

やっと行くと思って乗ろうとしたけど、身長が低いせいか乗れない。

「どうした?」

振り向いた龍牙にまた笑われる。