〔翔〕
今日は、入学式。

三年になった俺達にも、仕事が回ってきた。

「今年の一年生はどんな子達だろうね」

「みんな、いい子達だといいな」

「うん」

式が終わり、散歩がてらに中庭に足を向けた。

「どうしよ・・・」

一人の女の子が、うろたえている。

リボンがまだ、一年だ。

「どうしたの?」

こういうのは、ほっとけないココ。

「あの・・・教室がわからなくて・・・」

聞くところ、寝坊をして式に間に合わなくて教室をさがしていたと。

「じゃあ、連れて行ってあげる」

「ありがとうございます」

自己紹介をして、話をしながら教室まで送った。

「ここだよ」

「ありがとうございます」

「ううん 次からは、寝坊しちゃだめだよ」

「はい」

そう言って別れた俺達。

「可愛い子だったね」

「そうか?」

「うん」