そう言われて、お姫様抱っこをされた。

「きゃっいいよ歩けるよ」

「早く行くため」

そう言って、あたしを抱っこしているのにあたしが走るより速いスピード。

あっという間に、着いた保健室。

「失礼します」

保健室には先生が居なかった。

「しょうがねぇ 俺が診るか」

そう言ってベッドに座った、あたしに近付いた翔。

グイッと顔を近づけてあたしの目の上を見る。

「あぁ~少し、腫れてるな」

「お岩さん?」

「いや、そこまでじゃねぇけど とりあえず、冷やすか?」

「うん」

保健室の冷凍庫から出してきた保冷剤をガーゼに包んで目の上に当ててくれた。

「いける? 痛くない?」

「ちょっと、痛いかな? でも大丈夫」

「よかった」

「翔、練習行かなくていいの?」

「そんな事より、ココの方が大事だし」

「\\\」

「顔、赤いよ 何で?」

分かっていて、わざと聞く翔。

「翔があたしを赤くさせる事を、言うのがいけないの」