「何してんだ?」

「きゃっ」

俺は、そいつが書いていたノートを取り上げた。

「返してください!!」

「ちょっとくらいいいじゃねぇか」

「お願いです」

「わっわかったって はい」

眼鏡の奥の切れ長の綺麗な目に見つめられて、狼狽して俺はノートを返した。

「っで、これは小説?」

「はっはい・・・」

「なんの?」

「・・・恋愛です」

「えっ、これペンネーム?」

「はい・・・」

「プロ?」

「一応」

「って言う事は、姉貴が好きな」

「お姉さん、知ってるんですか!?嬉しいです!!」

いきなり、テンションが上がったこいつ。

訳分かんねぇ

「いつも、ここで書いてるのか?」

「はい・・・」

「いつまで?」

「五時ぐらいまで」

「じゃあ、五時になったら起こせ」

「えぇ!!」

「おやすみ」

「おやすみです」