〔小子〕
唯斗が燐華を連れて溜まり場に来るようになった。

春陽は一緒の学校だから、知り合いだったみたいであたしもすぐに打ち解けて名前で呼び合うようになった。

あの唯斗が燐華のことになると、面白いくらい動揺して最初はみんないじってた。

学校では、相変わらず繭と彼方はラブラブであたしは南という新しい友達が出来た。

そして、最近まで忘れてた小説はまた書き出すようになった。

「小子お昼食べよ」

「うん」

最近は、南と一緒にお昼を食べてる。

だって繭と彼方の邪魔出来ないしね。

「あっあのっ」

「はい」

呼びとめられて、振り返ると内気そうな男子が居た。

「宮崎さん、放課後ちょっといいかな?」

「いいよ」

「じゃあ、体育倉庫前に来てください」

「うん わかった」

男子はそれだけ言うと、走り去っていった。

「何だったの?」

「んーなんか、放課後体育倉庫前にきてってさ」

「告白じゃないの?」

「違うでしょ」

あたしに告白する人なんて、居ないと思い否定する。

「いい加減、自覚しなさいよ あんた可愛いんだから」

「南までお世辞言わないでよ 南の方が可愛いから」

「あんたには、負けるわ はぁー」

大きくため息ついた南。

「?」

あたしには、頭にはてなが浮かんだまま。

「まぁ、気をつけなさいよ」