「うん お家連絡した?」

「一人暮らしだから」

「そっか じゃあ、作ろうかな? 何がいい?」

「病み上がりだし、簡単な物でいい」

「じゃあ、麻婆豆腐とかでいい?」

「ああ」

キッチンに立って、作りながら思う。

あたし、ノーメイクだしパジャマじゃん・・・

「何か手伝う」

「えっあっいいよ」

気付いた途端、唯斗に近付かれたくなくて少し逃げる。

「ん?」

それに目ざとく気付いた唯斗が、余計近付いてくる。

近付いてくる唯斗が近付いてくるのに比例して、私も下がる。

「なんだよ」

少し不機嫌な唯斗。

「だって、よく考えたらあたしノーメイクだし、パジャマだし・・・」

俯いて、声を小さくする私に

「対して変わんねぇって」

といいながら、軽く抱きしめてくれる。

「でもー」

「大丈夫 俺別に嫌いになんねぇし」

「本当?」

ゆっくり顔を上げ、目線をあわすあたしにデコをこつんと合わす唯斗。