「なーんだ やっぱりデマだったんだぁ」

「当たり前」

「そりゃ友達の好きな人を好きになってもねぇ」

「俺には、好きな人なんて出来た事無い」

「それも、ちょっと寂しいね」

「そうか?」

「人を好きになるのって、苦しいし切ないけどでも、恋が出来るという事はとても幸せな事だと思うよ」

「そう言うものなのか」

「うん」

「お前は?」

「あたしは、いま・・・してるよ」

その人のことを思い浮かべたのか、とても幸せそうな顔をした。

そんな燐華の顔に、胸が痛んだ。

そんな自分に戸惑ってしまう。

最近の俺はおかしい。

素直に人の言う事を聞いたり、授業に出たり自分でも自分が分からない。

ただ一つ言えるのは、燐華が俺にとって特別になってきた事。

その気持ちが、何なのか今だに分からないからもやもやして気持ち悪い。