Re:ハツ恋ノ君

彼は、ゆっくり頷いた。

「憶えててくれてたんだな…紅」

私の髪を、悠が撫でる。

「あ…」

懐かしい。

以前と、全く変わらない。

優しい手。

この手が、私は大好きだった。

「紅…」

彼の甘い声で、私の名を呼ぶ。

なんて心地良いんだろう…。

愛しくて。

懐かしくて。

胸がいっぱいで…。

涙が、零れそう。

――そう思っていると。