そして夜…

辺りを照らす、満月は、隠れるように、雲に覆われ、星達は、警戒するように輝いた…


例の建物の前に、人影が1つ。



青い目をした綺麗な顔立ちの男、ルイ。


 「ここか…」

彼は建物を見つめそう言った。


鋭い刃を持つ風が、彼の背を押すように吹き抜けた…

 「…行くか…」

頑丈な鍵を壊そうと、手をかけた…

が…

その鍵は、何者かが前もって外したのだろうか…?
既に壊れていた…


気にはなったものの、手間が省けた。と、プラスイメージに考える、ルイであった。


一筋の光も通さない、漆黒の暗闇…

ルイはその闇の中に、足を踏み入れる…




建物の最上階。

あの2つの人影は、何かに気づいたようだ。


 「!来ましたよ。」

ルイの力を近くで感じ、そう言った。


 「そうか。」


椅子に座る人物は、まるで、ルイが来るのを待っているかのように見えた…