取り残されたカリン…

夜空は、怪しい雲が消え、再び満月が顔を出す…


座り込んだままのカリンは、満月の光に照らされ、立ち上がり、顔を上げる…


何が起きたのか…

どうなっているのか…


記憶を辿る…


暗闇の中…
ある人影…
銃……


苦痛に耐えるルイ……

…血……


……血……


ルイが…身代わりに…

ルイが…


自分は何もできなかった…何も…できなかったんだ…



-ルイが病院に…症状はあまり…-

マイのあの時の言葉が蘇る…



…ルイが…病院…


知らぬ間に、涙が頬を伝って行った…


自分をかばってルイが…


突然、これ以上もない悲しみに襲われ、涙が溢れだす…


カリンは両手で顔を覆い、泣き崩れた…


 「うぅっ…ぅぅ……ルイ……ルイ……」


そしてカリンは、胸の前に両手を組み、強く祈った…

夜空に輝く星空に…



(…お願いです…ルイを…ルイを助けて下さい…)

(私の命なんかどうでもいい…だから…ルイを…私の命の代わりに、ルイを…助けて…)



一粒の涙が瞳から零れ、地面へと落ちていった…



その時…