「何やっとんや?」

外を眺めているマイに近づくイワン。
横に並び、外を見渡した。

 「あの2人…」

マイは指を差す。
その指が示すものに目をやると…


 「あぁ、ルイとカリンかいな…」

 「そう。」

2人は仲良く寄り添って星空を眺めていた。


 「いっつもおるよな…」

 「えぇ。いつも2人で星眺めて…クスッ…それでいて、カリンが寝ちゃうんだけどね。」


マイは微笑んだ。

それを眺めるイワンは…


 「カリン、可愛いもんなぁ…」

 「はぁ?」

口を滑らせてしまった…

マイはその言葉を逃さなかったようで…

鋭い目でイワンを睨む…


その目に焦るイワン。額に汗が浮かぶ…

 「いや…その…なぁ……」

ごまかし、何とか逃げようとする…


 「…」

 「?」


いつもなら、ここで拳が降ってくるのだが…

マイは未だ外を眺めたままだった…


不思議に思うイワン…

 「…何や…今日は殴らんのかいな…?」

恐る恐る近づき、マイの顔を伺う。

マイの表情は落ち着き、2人を見ていた


 「実際にカリン可愛いし…何?殴って欲しい訳?」

 「いや…」

どちらにしろ、イワンは殴られる事はなかった…