そんな2人のある1日…


 「あー…」

 「何よ、あーって?」

イワンは椅子に力なく腰をかけ、変な声を上げる。

その声を聞いたマイは、機嫌が悪いのか、眉をつりあげイワンに問う。


 「いや、マイには関係あらへん。」

だがそんな事も気にせず、机へと体を伸ばして倒れるイワン。


 「は?関係ない?ずいぶんと迷惑かけといて?」

 「迷惑?そないな物…」

マイの怒りは頂点に達したらしく、特徴的な黒い弓を構え、イワンに近づく…


 「!や、止めろ…それは、止めろ…」

ヤバい事にやっと気づいたのか、イワンは飛び起き、手を前に出し、マイをどうにか制止させようとする。


だがマイは更にイワンに近づき、矢の先をイワンの喉に突きつける…

 「誰が迷惑かけてないって?誰が関係ないって?え?」

そう言う顔は笑顔だが、その笑顔が何故か怖い…

変な汗が背中を伝う…

 「何にもあらへん…マイにはいつも迷惑ばっかかけとる…マイに関係ない事なんかあらへん…」

 「そう、ならいいわ」

 「ハァ…」

どうにか止める事ができた様子。

ホッとして、安心の溜め息を吐く。

が…

 「って言うと思った!?」

下ろしかけた弓を再びイワンに近づける…


そして…

     ギャァー!!

聞き覚えのある叫び声が町に響き渡るのだった…