山道にて、山を下る4人の姿があった。


 「ねぇルイ、思い当たる所って?」

マイは、ふと思った事をルイに訊く。

ルイは少し考えた様子を見せたが、口を開く。


 「…俺の町だ。」

 「「!」」

その言葉に、一同驚いた様子を見せる。


 「何でやルイ、自分からそないな辛い場所、行かへんでも…」

そう、ルイの故郷…
そこは、辛い思いをした場所…
なのに、自らそこへ向かうなんて…


 「いや、辛くても、行かないといけないんだ。それが、俺の、使命だから…」

 「ルイ…」

決意したような瞳。しかし、その瞳の中には、微かに苦しみが浮かんでいた…

それを見逃さなかったカリンは、心配して見つめるのだった。



暗い空気が辺りを漂う…

そんな中、

 「ほら!元気出して!」

朝からの元気の良さからか、マイは3人に笑いかける。


そんなマイの態度が気に入らなかったのか、イワンは眉間に皺を寄せる。

 「空気読めや…今、そんな場合や…」

 「こんな時だから言ってるんじゃない…そうじゃなきゃルイが…」

イワンの言葉を遮り、ルイの方に目をやった。


そのマイの心遣いに、笑顔で感謝するルイ。

 「…マイ、ありがとな。」

 「ううん…」



そして4人は歩を進めた…