そして朝
昨日の雨はどこへやら…
地面に水たまりはあるものの、太陽は、元気に照らしている。
すぐにこの水たまりもなくなるだろう…
「んじゃあ、出発ね。」
空に手をかざし、眩しそうに太陽を見ながら、元気に言うマイ。
「朝からテンション高いな…」
寝起きなのか、目を擦りながらそんな調子のマイを見るイワン。
「何言ってんの…」
また朝から言い争いが始まるのやら…
そんな2人の近くでは、カリンとルイが辺りを見回していた。
(…また消えてる…)
カリンは自分の掌を見つめていた。
昨夜あったはずの、紋章のようなアザが、また消えていたのだ。
「!」
その手に、何者かの優しい手が触れる。
そして、
ギュッ
安心させるように強く握ったのだった。
優しく、それでいて強く、心を落ち着かせるように…
「…」
その手の主へと顔を向ける。
そこには、優しく微笑んだ、青き瞳を持つ、ルイの姿があった。
ルイが、手を握ってくれた。そのおかげで、恐怖が消えた。
サンサンと輝く太陽の下、2人は手を繋ぎ、共に笑いあった
その握った手は離れる事はないと思っていた…
なのに…

