辺り一面を緑で覆い尽くす。
小鳥のさえずりが響き渡り、澄んだ空気が漂う。

そんな山道を歩く4人の人影。

青い瞳を持つ整った顔の男、ルイ。

その横を嬉しそうに歩く、長い髪を下ろ
した幼い顔の女、カリン。

少し離れた所では、切れ長の目の男イワンと、長身の女マイがいた。


 「思ったんだけどさ、ルイに力を与えた奴って誰なの?」

唐突に、マイはそんな事を言い出した。

この空気に心を癒されていたルイは、マイの問いに答える事にした。

辛い思いなのに…


 「俺にもよくはわからないんだ。」

 「名前は、ノワールだよね。」

 「そうだ。それしかわからない…」

カリンが教えてくれた名前で、本当かはわからないが、情報がない以上、ノワールを追うようにしたのだ。

 「名前だけか…」



 「どこで会ったの?」

今日のマイは、よく訊いてくる。
気になるのは仕方ないだろう。

隠す事じゃない。
話しても構わない。


 「俺が産まれた場所でだよ…」

いつもなら断ったかもしれない。
思い出したくわないから…

しかし、今は、話す決意ができた。

何故だろう…

この空間に癒されたのかな…