授けられた力・消えた記憶


廃墟へと走る1人の男。

 「ハァハァ…!」

 「逃がすと思ったか?」

その男の前に立ちはだかる者…
腕を組み、ノワを睨む。


 「!…王…」

こいつがここにいると言うことは…

 「死んだよ。」

 「!…貴様!」

自分を戻す為…約束を果たせる為、王は自らの命を犠牲にした…

僕を信じた、あいつを殺した目の前の憎き敵…

許せなかった…何もかもを奪うあいつを…許せなかった…


ノワはノワールに殴りかかる。
憎しみを込め…精一杯の力を込め…

が、ノワールはそれを片手で止めた。

やはりかなわないのか…こいつをやる事は…できないのか…


憎しみが沸々と湧き出る…
ノワはその怒りに力を任せ、ノワールに立ち向かう。

が、ノワールは攻撃を全て交わす。

そして…

 「お前はバカだ。」

そう言い、ノワールはノワの腕を取り、勢い良く捻る。

 「!!ウワー!」

腕が…腕が…

あまりの痛さに悲鳴を上げるノワ。

動かなくなった腕…

このままでは…

死ぬ…