授けられた力・消えた記憶


4人は、旅の支度を終え、太陽の下、世話になった3人に、礼を言っていた。

 「久しぶりに、ゆっくりさせて頂きました。」

 「それは良かった。」

ルイの言葉に、カンナは笑顔で答える。

 「ほんま助かったわ。」

 「ありがとございました。」

 「いいんだよ。」

頭をかきながら言うイワンと、頭を下げるマイ。
そんな2人に、頑張れよ。と言うクロウン。


 「それでは…」

それぞれ礼を言い終わり、4人は背を向け、歩きだした。

だが、

 「…待って…カリン…」

 「?はい?」

そんな後ろ姿に声をかけるカンナ。カリンに近寄る。

 「これ…」

歩みを止めたカリンの手を取り、何かを腕につけた。

 「これは…何で…」

カリンの腕につけられていたのは、昨夜、ちぎれてしまったはずのブレスレット。

 「申し訳ない事、したからね。」

カンナが何とか繋いで、修理してくれていたのだ。

 「よかったのに…」

カリンはブレスレットを見つめながら、そう呟いた。