授けられた力・消えた記憶


3人がそんな話をしている時…

(!見ろ仕掛けが壊れてる)
(なんだと!?)
(屍かもしれん。探せ!)


そう、ルイとカリンが捕まっていた方から聞こえてきたのだ。


それを聞くなり、イワンは顔色を変えた…

 「やばいな…。あんたらそこに隠れりぃな。俺がなんとかする。」

 「え…?」

イワンは2人の言葉を聞こうともせず、部屋の奥へ隠した。


そこへ何者かがやってきたのだった。

   ドンドン…「イワン。」


扉を叩く音がし、その後にイワンの名前を呼ぶ声がした。


 「?何や慌てて…」

それに答えるようにイワンは返事をし、扉を開けた。


扉の外には、3人の人物が。

その中の1人が言う。

 「仕掛けが壊れている。何か知らんか?イワン。」

その人物は何も見逃さないような鋭い目つきで訊いた。

 「あぁ、あれか。すまへんなこいつがかかってたんで助けたんや。」


何も無かったようにそう言い、イワンは何かを掴んで見せた。


 「?ウサギ…」

さっき話した人物とは違う人物がそれを見て言う。

イワンが持っていたのは、真っ白なウサギ…
赤い目を、怯えたように向けてくる…


 「かわいそうやったんや。あんな所で捕まって…。いかんかったか?」

ウサギを見つめ、言った。



 「…いや、構わん。」

イワンは隠している事は無いと認識したように、3人はそこから立ち去った。