そしてまた、そこに何者かが現れる。

 「?リリン、どう…!ノワール!」

緑色の瞳をもつ色白の男ノワ。

ノワの言葉など気にせず、ノワールは2人に言う。

 「貴様達は、俺の言った事をすればいいだけだ。」

 「そんな…見ろよ。カリンを連れてきたんだ。」

その言葉が気に入らなかったのか、ノワはリリンからカリンを奪い取り、ノワールに見せつけるように言った。

 「…」

しかしノワールは興味がないようで…

目にも留まらぬ速さでノワからカリンを奪った。

 「!」

あまりにもの速さに驚くノワ。

 「今は必要ない。」

気にするそぶりも見せず、ノワールはカリンを抱え、暗闇へと消えていった。

 「!待てよ!クソッ」

それを見てノワは叫ぶが、ノワールの姿はもうそこにはない…

 「クソッ…」 ドン!

ノワは屋根の上を力強く殴るのだった…

 「ノワ様…」

そんな様子を見てリリンは悲しそうな顔をするのだった…


 「いつか…いつかあいつを…」

ノワの声が、暗闇に、風に載って響いていった…