授けられた力・消えた記憶


このままでは相手の思うつぼだ…

 「…カリンをどうするつもりだ。」

そう思ったルイは話を反らす。眠っているように見えるカリンをどうするつもりなのかと…
目的は何なのかと…

 「さぁ。君には関係ないよ。」

だが、ノワは話すつもりはないらしい。

 「関係あるさ…」

ルイは青い瞳でノワを睨む。

そんな様子を見て、ノワは諦めたようだ。

 「そう…リリン。」

 「はい。」

ノワがそう言うと、黒髪の女が現れた。

 「カリンを頼む。」

ノワはそう言い、カリンをリリンに預けた。

 「かしこましました。」

リリンはカリンを預かり、ノワに頭を下げ、そこから消えた。

 「!」

焦るルイ。カリンを抱えたリリンを追おうとした。が、

 「行かせないよ。行くのなら、僕を倒してから行きなよ。」

ノワがルイの前に立ちはだかり、道を塞いだ。

 「…わかった。」

ルイは少し迷ったが、敵に迷いなど見せてはならない。

目の前の敵を倒し、カリンを助けるしかない。

ノワに目を向け、戦う事を決意した。