3人の間に沈黙が流れる。

その沈黙を破ったのは男であった。

 「俺はイワンやよろしくな。」

頭をかきながら、そう男は言う。


それに答えるように2人も口を開く。

 「こちらこそ。私カリンです。」


 「俺はルイ。で、どうしてあんな仕掛けが?」

ルイは疑問を投げかけた。

 「あぁあれか。ここでは夜になると屍が蘇るんや。」

 「屍?」


カリンが聞き返す。
屍と言う言葉に、ピンとこないようだ。


それを説明するのは、ルイ。


 「死んだ奴が蘇るって事だな。」

 「そや。この村の人達は、屍が襲ってくるのを恐れて、あんな仕掛けを作ったんや。」


 「なんで村を襲ったり…?」

 「それはわからへん。でもあそこに何かあるのは確かや。」

そう言い、イワンは指を差した。

 「?あれは?」

そこには壊れかけた屋敷のような物がある。

緑が溢れるこの村の中、そこだけは木々もなく、ほんの少しの雑草すら生えていない…

そこだけが、村とは違うような雰囲気を醸し出している…



 「昔、戦いで亡くなった人々が集められた場所や」

 「…」


それを聞いて、再び沈黙が流れるのだった…