授けられた力・消えた記憶


カリンが待つ席へと戻ってきたルイ。
だがそこには、カリンの姿がなかった…

 「…!カリン!?どこ行ったんだ…」

辺りを見回すが、どこにもいる気配がない…


そんな中、何かが起こったのか、騒々しくなってきた。

 「…!マイ…」

 「?」

それに気づいた様子のイワン。何かを察知したようだ。

 「来やがったで…」

騒ぎの中央に目を向けそう言うイワン。

 「来た?」

マイは眉をひそめてそう訊いた。

 「…悪魔や…」

 「!」

イワンの口から出た言葉…悪魔…
悪魔が現れ、人々を襲っているのだ。


      「「キャー!」」

辺り一面に悲鳴が響き渡る。
人々は、悲鳴を上げ、何とか助かろうと逃げ惑う。

 「客を逃がさないと!」

マイは黒い弓を構えながら、客を逃がそうとする。
が、

 「いや、それは必要ないみたいや…」

 「?」

悪魔の行動を見て、イワンはそう言う。
マイはよくわからない様子で…

 「敵の狙いは、俺達だけみたいやからな…」

 「!」

イワンは汗を額に滲ませながら、強い瞳でマイに言った。