現れたのは男だった。
鋭い目をした、切れ長の男。
2~3くらい年上のようだ。

その男は声を発した。

 「?捕まったんか?!あんたらここの者やあらへんな?」

 「…」

その言葉に2人は何も返せなかった。
状況が状況だから…

    スッ

男は2人を助ける為、ナイフで吊している縄を切った。

それと同時に2人はそこから落ちる…

 ドサ「いたたた…」

ルイは地面にそのまま落ち、腰を押さえながら声を上げた。

 「キャッ」

カリンは落ちる事を覚悟し、悲鳴を上げだ。が…

 スッ「大丈夫かい?お嬢ちゃん。」

その男がカリンを抱えていた。

そのお陰で、地面に落ちる事はなかった

 「!は、はい。」


ルイは、腰を押さえながら立ち上がり、言った。

 「助けてくれたんだよな?」

 「?そや」

ルイがいた事に気づいていなかったような反応をして、男は言う。

 「ありがとな。」

ルイは気にせず礼を言った。

 「いや。当たり前の事やけんな。」

そう言った時だった…


   ザワザワ

近くて人々の騒ぐ声が…