ルイ達は林を歩いていた。

道の両端に立ち並ぶ、緑の木々。

自由に育ち、枝を長く伸ばしている。


その枝を掻き分けながら、先へと進む。


歩きながら、ふと、何かに気づいた様子のルイ。

すぐ後ろをチョコチョコとついてくる彼女。

彼女に振り返り、口を開いた。


 「そうだ、君の名前、聞いてなかったな。」

 「あっ、そうでしたね……私、カリンって言います。」

微笑む彼女…カリン。
いつ見ても彼女の笑顔は天使のようだ。


 「カリンか。よろしく」

ルイもカリンの微笑みに答え、微笑んで言った。

 「こちらこそ」


そしてまた2人は歩きだす。


随分と歩いた所で、カリンは疲れたように言った。


 「あの、どこに行くんです?」

 「まぁ、街に着いたらいいんだけど…!うわっ!」

そう言ったルイは、声を上げた。

何か異変に気づいたカリンは、ルイの元へ行き、無事か確かめようとした。

 「!?どうしたん…!キャッ!」

そしてまた声が上がった。


2人は網のような物に捕らえられ、宙吊りになっていたのだ。

何か獲物を捕らえる罠のような物に…


その中でルイは言った。

 「何だ…これ?」

 「何でしょうね?」

どうにか出ようともがくが、出られる様子ではない…




     ザッ


そこに、こちへ向かってくる足音が…


 「!誰か来る…」


危険が2人に近づく…