カリンはそちらへと顔を向け、目を覚ました時に目の前にいた女性、カンナに訊く。

 「あの…もしかして、あなたが助けてくれたんですか?」

 「え…カリ…ン…」

その言葉に、カンナは両手で顔を覆い、その場に泣き崩れた。

 「えっ!…私、何か…」

泣き崩れたカンナを見て、戸惑うカリン。

 「カリン、本当に、わからないのか?」

 「わからない?何が、です?」

男が真面目な顔をして訊くが、カリンは何の事がわからない様子で…

 「…まぁいい…ゆっくりとでも、思い出せるさ…」

 「そうです。カンナさん…」

諦めた様子の男と、カンナをなだめるように言う男。

 「カン…ナ…」

カンナと言う言葉に反応した様子のカリン。

 「?覚えてるのか?」

 「…ううん…」

ルイはカリンに訊くが、少し考え、カリンは首を横に振る。

 「そうか…」

 「無理させたらあかんで。また、倒れるかもやからな。」

暗くなるルイを見てか、イワンは明るくそんな冗談を言った。

 「イワン、なんか嫌みみたいよ。」

 「んな、違うで、カリン。」

マイは冷たく睨む。
弁解するイワンであるが、カリンの耳には届いておらず、カリンはカンナを見つめていた。