それをみつめていたマイ。

 「…」

無言のまま、こちらへ歩いてくるイワンを見つめる。

イワンはふらついていた。

マイの元にたどり着き、手足を自由にしてやった。

 「大丈夫なんか?」

 「あ、ありがと…」

マイの体を見るイワン。

 「何や、ケガも何も無いやないか。」

 「うん…」

ケガを負っているイワンに対し、マイは何もケガをしていないようだ。


少しの沈黙の後…

 「…すまへんかったな…」

 「え?」

イワンはマイに謝った。

 「俺、何やおかしかったんや…勝手に言葉が出たゆうか…」

(…そっか…イワンがあの事、知ってるはずないもんね…)

心の中でそう思ったのだった…