授けられた力・消えた記憶


イワンは再び男に立ち向かう。

鉄の塊を振り回すが、男は難なくそれを交わした。

 「ハァハァ…チッ…」

舌打ちしつつ、イワンはまた振った。
その攻撃は、男の顔すれすれを通過し、深くかぶった帽子を飛ばした。

 「…」

男の顔が明らかに…

 「…!あんた…」

そこにいたのは…宿屋の主…

4人が泊まっていた宿屋の主なのだ…

 「…顔が知れた事で、どうなる事でもない。」

男はそう言い、イワンを殴った。

人間の力ではありえないその力…男が悪魔である事を示していた…


端まで追い詰められたイワン。

イワンを追い込んだ男は、目の前に立ち、笑った。