授けられた力・消えた記憶


その傷は何かに引っかかれたような傷…

 「悪魔をなめてもらっちゃ困る。」

背後から声が…
イワンは振り返る。が…
振り返る前にイワンは蹴り飛ばされた。

      ドン!

宙に浮かぶイワン。その様子が、ゆっくりに見えた…

そしてまた攻撃が…

敵は宙に浮かぶイワンの体を、鉄の塊で叩き落としたのだ。

 「!クッ…!」

イワンの口から血が…


その様子を見ていたマイは、たまらなくなり声を上げた。

 「止めて!イワン…あなたにかなう相手じゃない!」

 「うるせぇ!」

 「な…」

口の血を拭いながら、立ち上がり、マイに背を向けたまま言った。

 「お前は俺が…俺が守ったる!」

 「!」

思いもしないイワンの言葉。
マイは言葉がでなかった…

 「やから…そこでおとなしく待っとけや…」

そう言い、マイに笑いかけた。

 「!…」

イワンの笑顔…

こんな時でも、マイの心はドキッとしていた…