授けられた力・消えた記憶


何も武器を所持しないイワンは、近くにあった鉄の塊を掴み、それを振り下ろす。


思いもしないイワンの行動。
驚く男。

が、男の帽子で隠れた顔から、笑みがこぼれる。


       ドンッ!

何かを叩く音…
それは…イワンが地面を叩いた音…

目の前に男がいたはず…
が、いない…

イワンの振った鉄の塊は、むなしく空を切った…

 「…!うっ…!」

イワンは声を上げた。
左腕に手を当てる…

(血…?)

…そこには血が…イワンはケガを負っていたのだ…