授けられた力・消えた記憶


そんな中…

 「ん…」

 「?起きましたか…」

マイが目を覚ましたのだ。
状況を判断できないマイ。
数秒の後、思考がしっかりしたのか、マイは男を見て叫ぶ。

 「…!あんた…!」

そしてその後ろにいる男…イワンに気づいた。

 「!イワン…!?」


 「あなたには、おとなしくしてもらいますよ。」

 「は?…!動け…ない…」

マイは動こうとしたが、手足を縛られている為、身動きがとれないのだ。

どうにか動けるようなしようとしていたその時…

 「!」

 「!止めろ!」

マイの首元に、ナイフが突きつけられていたのだ。

 「この方を殺す代わりに、あなたが死んで下さい。」

男はマイにナイフを突きつけながら、イワンに言う。

男の言っていた交渉というのは、こういう事だったようだ…

 「な、何言ってんのよ!」

突然の事に、驚き、叫ぶマイ。

 「あなたには、喋る権利はないのですよ。」

 「くっ…」

それを静止させるように、マイの首元に突きつけたナイフに力を込める。