サキにこの森を抜け、砂漠に出るといいと話を聞いたのだ。
森を歩きながら、イワンがカリンに聞く。
「何や?それ…?」
「…どこかで見たような…」
カリンは掌の中にある物を見つめた。
それはビーズでできたブレスレット。
太陽の光に反射して、七色に光っていた。
「何や?思い出すんちゃうか?な?」
すこしイワンがはしゃいだように言う。
「イワン、あんたうるさい!」
それに腹が立ったのか、マイはイワンの頭に拳を落とした。
それがきいたのか、イワンは頭を押さえ、おとなしくなった…
「カリン、無理するなよ。」
「うん…」
ルイが心配するように言う。
だが、カリンはまだ掌のブレスレットを見つめていた。

