授けられた力・消えた記憶


それを見て安心したのか、ルイは聞く。

 「立てるか?」

 「う、うん…」

そう言うが、カリンはよろめいた。

それを見て、なんの戸惑いもなく、ルイはカリンを持ち上げた。
いわゆるお姫様だっこで。

 「…ヨイショ…」

 「!だ、大丈夫だよ…」

カリンはそれを恥ずかしがって断るが、ルイは止める様子はない。

 「いいから。」

 「…」

そうしてカリンはおとなしく、ルイの腕の中に収まった。