授けられた力・消えた記憶


カリンは続ける。

 「さっきも…この前も…いきなり、気を失って…それで、私、夢を見てるみたいに、自分がしてる事を見てる…夢だと思ってた…でも、実際にあったんでしょ?」

 「あぁ…」

ルイは何も隠さず、カリンに言う。

 「…あれが…本当の自分なんだろうか…」

 「?」

カリンは突然そんな事を言い出した。

 「夢で見ている私が、私なんだろうか…今の私は、その私の人格なんだろうか…」

 「カリン…」

その言葉に、胸が苦しくなった…

 「わからない…何もわからない…真実が何なのか、何が起こったのか…自分が誰なのか…」

カリンは、だんだん自分を攻めるように言う。

それを、優しく、そこから救うように言う。

 「大丈夫だ…俺が必ず、カリンの記憶を取り戻す。だから、心配するな。」

 「…ルイ…」

いつものカリンに戻ったようだ。