授けられた力・消えた記憶


イワンに近づくマイ。

 「良かった…」

安心したように言う。

 「マイが?」

 「…」

イワンが助かったのは、マイのお陰だとわかったイワン。

 「コントロール、できるようになったんやな。」

感謝したように言うイワン。
それに照れた様子のマイ。

 「…イワンのお陰だよ。」

 「?泣いとんのか?」

マイの目にはうっすらと光る物が…

 「…な、泣いてなんか…」

否定しようとするが、無理なようだ。

 「何や、泣いとるやないか…」

 「うるさいな…それより、あんたが死んで、悲しまない奴がいないわけないじゃない…」

マイは突然そんな事を言い出した。

 「?…どういう事や?」

イワンは問いただそうとしたが…

 「それはその…ほら、ルイとかカリンとか…私…だとか…」

 「すまへんな…ありがとなマイ。」

 「…」

マイは顔を反らした。
少し頬が赤いのは気のせいだろうか…