マイは霊達から全速力で走り、逃げていた…
だが、彼女は心の中で戦っていた…
(また逃げる気…?また同じような事…)
マイの目に涙がにじむ。
ある出来事を思い出していたのだ。
それは、今からそれ程経過していない過去。
~マイには、親しかった人がいた。だが、その人物はマイを助けるため、自らの命を捨てたのだ…
最愛の者を守る為…
とある町での事、2人が町中を歩いていた時それは起こった。
2人の目の前に霊が現れたのだ。
ーマイ…逃げろ…ー
マイをかばうように男は言う。
ー!いやよ…あなたが死ぬんだったら、私も…ー
マイは男の腕を掴み、言う。
が、男は意志を変える様子はない。
マイの肩に手を置き、目を見つめて言う。
ーお前を死なせる訳にはいかない。俺の代わりに…俺の分まで生きてくれ。ー
ー…ー
その言葉の通り、マイは逃げた。
彼を置いて…~

