霊が2人の人間を取り囲む。
何とかその2人を捕まえるために…

霊に囲まれていたのはマイとイワンである。

じわりじわりと霊が2人に詰めいる中、イワンは考えていた。

(このままやと…連れて行かれる…)

そう、逃げ道などどこにもないのだ。

 「…マイ…」

 「…?」

不意にイワンはマイを呼ぶ。
警戒しながらも、マイはイワンの方へと振り返る。

 「逃げろ。」

 「!」

イワンのその言葉に目を見開くマイ。
こんな事を言うなんて…信じられない…と言ったように…

 「…俺がいなくなっても、悲しむ奴なんかおらへん…」

イワンはマイから目を反らし、悲しそうに言う。

 「何言って…」

 「いいから、逃げるんや。」

マイは反抗しようとしたが、イワンが言葉を遮る。