「憶測でしかないが…此処までボロを出さずに出来ているのは…組とかファミリーじゃなくて単独だと考えは方が良いだろう。」

「狐塚や卍樂が言っていることは十分に考えられる。…だが、雇われたのではなくグループの一人だと考えられないこともない。優秀な者が揃ってもみろ。此処までどころか、これ以上も上手く熟せるのやも知れん。」

「「「うーん…」」」

男三人が首を傾げた時、部屋の扉が開き、ずぶ濡れの小柄な少年と体格の良い長身の青年が部屋に入って来た

「二人とも、お疲れ様。どうだった?」

「ただいま、ボス。」

「戻りました。早速報告します。」

青年がホワイトボードへ一枚の写真を貼り、五人の顔を見渡した後、くるり、と背を向け、ボードマーカーで字を書きはじめる

「…槐、16歳の女。闇医者です。」

「「「「「……」」」」」

「お、オイオイ…今までのぜーんぶこの子がやったって言うのか!?」

「…これは…、」

声を荒げる狐塚と言う男の隣にやって来た小柄な少年は写真をじっと見つめた

「鴉、どうかしたのか?」

「馨さん…いや、なんでもないですよ」

「……?」

人懐っこそうに笑う鴉という少年を見た馨という煙草をくわえた男は首を傾げた

「ボス、どうします?」

「会いに行ってみる価値はありそうだね。」

ボスと呼ばれたおっとりした男の言葉に他の男五人は頷き、早速出掛ける準備に取り掛かった