藤井先輩の私。



「あのさぁ、陽依。あたしにはあれだけ言っといてさ、自分は何もしないつもりなの?」


ユカの言いたいことはすごく、すっごくよくわかる。

痛いほどよく、分かる。



「女の子は素直が一番って言ってくれたのあんただよ?」


「…うん」


「今、素直?陽依は」



全然、素直じゃない。


私は力なく首を横に振った。


ユカはすごいよ。
委員長に素直になれて。


私だってできるってあの時はそう思った。

でも、でもね。


いざってなった時、急に怖くなったんだ。

委員長とユカみたいに、ジュディとレオ君みたいに、あんな風に元に戻れるのかなって。


私と先輩は、まだ付き合いはじめたばかりで、先輩のこと分かったつもりでいたけれど、でもユカやジュディほど、相手のことを知らない。

ユカやジュディみたいに、あんなに距離近くないし……。

前、ユカやジュディに「中学生かっ」て言われたの思い出して…私と先輩の距離感はまだまだ遠いのかもとか…いろいろ考えて。


そしたら、ユカ達みたいに元に戻れるかも不安になってしまった。


頭の中ぐちゃくちゃで…考えれば考えるほど意味不明で。


……私がもし、本音を口にしちゃって、また先輩との距離が遠くなったら…。


それが怖くて、たまらなく怖くて、先輩に会えない。