藤井先輩の私。


私は自分でも驚くぐらいの低い声で、




「彼女さまじゃーーーーーーー!!!」




と叫んでいた。







ハッとしたときは、時すでに遅し。



「お客様、店内で騒がれては他のお客様にご迷惑がかかります。すみませんが、こちらのケーキをプレゼントいたしますので、今日はお帰りください」


ベルグレフィンのオーナーらしき男性が、私の目の前に現れて、半ば強制的にケーキの箱を渡される。



「ごめん…なさい。すいません…」



「……陽依、行こう」


ユカが私の手を引いて、お店を飛び出した。




お店に残ってる先輩たちが気になるけど、でももう私はお店には戻れないよ。



ユカは黙って私の手を引いたまま、歩く。



適当に歩いたところで、公園があったので、中に入った。

木陰にあるベンチに黙って座る。




「……陽依?」




「なに?」





「ありがとう」




ユカの思いがけない言葉に、なぜだろう。
私の涙腺は一気に緩んで、ボタボタと大粒の涙が頬を伝った。


ユカは優しく私の頭をなでて

「私も泣いていい?」

って震える声で言うから、私はうなずいた。



 


子供がたくさん遊んでる公園の隅っこで、私とユカは、子供のようにわんわんと泣いたんだ。