藤井先輩の私。

  

「ずっとお兄ちゃんと一緒やと思ってた」



「うん」




「でも…お兄ちゃん突然あたしの前から消えて」




「うん」




「お兄ちゃんの一番やったあたしが…二番目になってた」





「うん」





「陽依、可愛いから。会ったとき負けたって思った」




「うん」




「お兄ちゃん、陽依と付き合いだしてから…前のように構ってくれへん」





「うん」







「どんどん遠くに行って、あたしだけ一人ぼっち」







「うん」






坂上の心地良い相槌にまかせて話していたら、いつの間にか涙は引っ込んでいた。





「でも陽依、ええ奴。優しいし、お兄ちゃんにピッタリ。だからあたし…自分の気持ち認める」





「うん」





あたしは坂上の胸を押して、離れた。




カバンから携帯をさがして、アドレス帳を開く。



あたしは何のためらいもなく、その番号にダイヤルした。