「…あのね、お姉ちゃん」
モジモジ。
どうしたんだろう。
「きょうね、お母さんがおしごと行くまえにね、いっしょにね、カレーつくったの」
「うん」
そういえば、リサ言ってたなぁ。
『坂上くんて、女手一つで育てられて、いろいろ苦労してるのに、頑張ってるんだよぉ。将来はお医者さんになるのが夢なんだって!』
私の家は、母親いないけど、こっちは父親がいないんだ。
坂上のオカンて、たしかナースやったっけ。
「あのね、だから…その…」
「俺の家で晩ご飯食ってけよ」
モジモジしているハルカちゃんの言葉を遮るようにして、坂上渉が言う。
ラフなTシャツとジーンズに着替えていた。
「お兄ちゃん!あたしが言おうとおもったのにぃ」
「あ、ごめんな。ハルカ」
ハルカちゃんには優しいのね。
ふーん。
「だめ?お姉ちゃん…」
しゅんとした顔であたしを見つめる。
ハルカちゃん。
今日はコンビニ弁当にしようと思ったけど…。
手作りの方が健康にいいし、それにハルカちゃんが頑張って作ったカレー食べたい!
「あたしもハルカちゃんのカレー食べたいな!」
「やったぁ」

