「このカメラで藤井様の写真を撮ってきてほしいの!!」
は…はぁ!?
「だってあと何日入院するか分かんないし、藤井先輩のお顔を見ないともうあたし死んじゃうわ!」
「死ぬなんて言わないで!!」
あ…あたし、何言ってんだろう。
そう言う意味じゃないのに。
ハッとして顔をあげると、綾姉は微笑んでいた。
「お願い、江梨香」
「う、うん。分かった」
綾姉は、こんな顔して笑ってたっけ?
こんな優しい笑顔。
「じゃ、明日からよろしくね」
「えっ!?あした?」
「よろしくね~」
この有無を言わせない笑顔。
こっちが綾姉らしい顔だ。
というか、こっそり高校へ忍び込んで盗撮まがいのことしていいのか?
まぁいいや。
「ファンクラブの方には江梨香のこと伝えておくから、困った時は夏子を頼りなさい」
「うん」
あたしはカメラを持って家に帰った。

