藤井先輩の私。

数日後―――





「ただの貧血で一週間も入院なんてついてませんわ」




「綾姉、一応病人なんだから寝ときなよ」





綾姉が入院して、一週間ほど経つ。


特に綾姉の体調に変わりはない。


でも少しばかり痩せたような気がする。




「もう一週間も藤井様のお顔を見ていないなんて、気が狂いそうだわ」



手帳から藤井悠太の写真を取り出して、愛おしそうに見つめる綾姉。



あたしはなれない手でリンゴの皮をむく。


なかなかうまくむけない。



「江梨香、リンゴむくのに一体何時間かけるつもりなの?」



ふと、時計を見ると午後5時をさしていた。


ここにきたのが10時で、むきはじめたのが1時ぐらいだったから…。



約4時間むいてることになる。



「もう、江梨香ったら不器用なんだから。貸してみなさいよ」


綾姉はあたしの手からナイフとリンゴを取ると、スルスルと皮をむきはじめた。


「すごい」


「あたしを誰だと思ってるの?」



やっぱり綾姉は最強だ。


うん。



リンゴを食べながら、綾姉は思いついたようにこっちを見た。


「なに?どうしたの?」


「そうだわ!江梨香、頼みごとがあるんだけどいい?」



綾姉はごそごそと引出しからカメラを取り出して私に手渡した。


デジカメ…?

これで一体何を?