何を話したらいいんだろう。
いつもどうやって顔を見ていたっけ?
つい最近まで当たり前だったことが、今は当たり前にできない。
何をどうしたらいいの…
「ん」
「…え」
黙って俯く私に、直哉が突然突き出してきた。
「天体観測に行って夏の思い出を作ろう……これ…」
「行くだろ?明日なんだ」
「…ふふっ!私…」
久しぶりに直哉の前で笑った気がした。
嬉しかったから。
誘ってくれて、嬉しかったから。
私…
“うん”
って言おうとしたの。
でも…ーー
「お待たせ!アイス買ってきたよ!」
やっぱり、ダメだと思った。
「どうしたの?」
エリカはニコッと笑って首を傾げた。
「あ、今真奈に」
「何でもないよ!」
私は直哉の言葉を遮った。
「これ…見せてくれてありがとう!じゃあ私帰るから…」
私は一方的にベラベラと話して、直哉にビラを突き返した。
「じゃあ…」
私はその場にいたくなくて、慌てて走り出した。

